Summary — この記事の結論

クリニックの選考プロセスは、書類選考・面接・適性検査・内定通知の4段階で構成されます。スキル・経験だけでなく、クリニックの理念や雰囲気に合う人柄を見極めることで、ミスマッチを防げます。

どこの職場においても、最初のスタッフを採用する際の選考プロセスは、クリニックの安定した将来を左右します。採用活動における選考プロセスは、応募者のスキルや経験だけでなく、クリニックの理念や雰囲気に合う「人柄」を見極める大切な段階です。

書類選考:応募者の基礎情報を確認する

応募者が、募集要項で定めた最低限の条件(必須スキルや経験年数)を満たしているか、クリニックの求める基本的な人物像と合致するか、を大まかに判断します。

確認すべき書類:

  • 履歴書:基本情報、職歴、志望動機など
  • 職務経歴書:過去の勤務先での具体的な業務内容、経験、実績を確認し、即戦力となるかを見極めます
Insight — 事務長視点から

書類だけで不採用を決めず、少しでも気になる点があれば次の面接に進める、という柔軟性も時には必要です。ただし、募集条件から大きくかけ離れている場合は、早い段階で判断することが賢明です。最低限の条件とあわせて、面接に進めない条件を決めておくことで判断しやすくなります。

面接:スキル、経験、そして人柄を総合的に評価する

面接は、書類からは読み取れない応募者の「本質」を見抜く最も重要な機会です。

確認すべき項目:

  • スキル・経験:クリニックで求められる実務能力(医療事務の知識、看護スキル、レセプト経験など)があるか
  • 志望動機・熱意:なぜ他のクリニックではなく、このクリニックで働きたいのか。その熱意は本物か
  • 働く姿勢:遅刻癖はないか、前職の退職理由に問題はないか
  • 人柄・協調性:患者様や他のスタッフとのコミュニケーションを円滑に行えるか

面接の回数

複数回実施することが有効です。例えば、一次面接で実務能力を、二次面接で人柄や価値観を深く確認するなど、重視する点を明確にすることで深い観察が可能になります。面接者は可能であれば、院長以外の人間が同席することで、より多角的な評価を行うことができます。特に重要度の高い職種(他のスタッフの管理も担う常勤スタッフ等)は、複数回面接を行うことが推奨されます。

実施の方法は、オンライン・対面を交えたり、クリニックの内覧を目的とし、複数の応募者を集めて行うなど、様々な方法が可能です。

注意点 — 公正な採用選考について

過去に精神疾患等の持病がないかを確認することは問題ありませんが、それを理由に不採用とすることは差別にあたるため禁止されています。厚労省でも「公正な採用選考」について注意喚起が行われています。

適性検査:客観的なデータでミスマッチを防ぐ

面接だけでは把握しきれない、応募者の潜在的な性格、行動特性、ストレス耐性などを客観的なデータとして把握するために実施します。

活用例:

  • チームワークを重視する職場で、協調性があるか
  • 患者様と接する時間が長い職場で、忍耐強さやホスピタリティがあるか

注意点:適性検査の結果はあくまで参考情報です。結果だけで不採用を決定するのではなく、面接での印象や評価と照らし合わせながら総合的に判断することが必要です。

内定通知・条件交渉:最終確認と入職への調整

選考を通過し、採用を決定した応募者には、迅速かつ明確に内定を通知します。並行して応募を進めている応募者が大半ですので、良い人材には他よりも早く内定通知を出すことが大切です。

① 条件交渉(給与・待遇)

労働条件通知書を発行し、書面で契約内容を明確にすることが必要ですが、ひとまず給与条件だけは決めて、「内定を出したい」という意向を伝えましょう。

② 労働条件通知書の明示

内定通知後、事前に提示していた給与、勤務時間、休日、福利厚生などの労働条件をあらためて労働条件通知書で提示し、確認してもらいます。

③ 入職への調整・対応

応募者から条件に関する質問や交渉があった場合は、法的な問題がない範囲で誠実に対応しましょう。特に給与や待遇面で誤解が生じると、入職後のトラブルの原因になりかねません。

採用は、「これから一緒にクリニックの未来を築いていく仲間」を選ぶ重要な経営判断です。選考プロセスを丁寧に進めることが、質の高いクリニック運営の基盤として機能します。

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フェアリンク編集部

フェアリンク株式会社は、2013年設立の診療所運営支援会社。事務長代行・採用代行・開業支援の3事業を軸に、10年以上にわたりクリニック経営を支えてきた編集チームが、現場知見を発信しています。